自分の好きなジャンルのことをエピック系と呼ぶことを知ったのは、そんなに遠い昔の事ではありません。音楽でエピックというと、世間一般的にはエピックトランスの事なんじゃないかと思いますが、映画のトレーラーやハイライトシーン風の、やたらテンションの高いオーケストラ曲のことも、エピック系と呼ぶのです。
オケ主体の映画音楽でも、当たり前のようにシンセ音やデジタルなリズムが使われるようになってから久しいですよね。もちろんエピック系でも、使われてない曲はないんじゃないかってぐらい、シンセは頻繁に使われます。
が、自分でやってみようとするとなかなかどうして難しいものです。
- シンセが生楽器の音に埋もれてしまったり、逆に生楽器をシンセがかき消してしまう
- 違う空間で鳴ってるものを無理にまとめたせいで響きに違和感がある
- シンセと生楽器で帯域が被ってしまって、響きがモヤモヤする
- 上手く馴染んでも、シンセに引っ張られて、せっかくの楽器の音が打ち込み臭く聞こえてしまう。
- こんな体験をお持ちの方もいるんじゃないでしょうか。
自分も試行錯誤中で決定的な解決策はないんですが、試行錯誤するうちに、こうすれば良いんじゃないかなというポイントがいくつか見えてきました。
オーケストラ曲にシンセを混ぜる時のポイント
- ストリングスのゴリゴリさを強調するなど、生楽器とシンセが同居する違和感を逆に強調してあげた方が、双方の音が住み分けする余地が生まれる
- シンセはステレオ感を広げるEQで帯域を切るなどして、生楽器の空間を邪魔せず、隙間に捻じ込んでいく
- シンセの低域はバッサリ切って、生楽器のローエンドとの干渉を防ぐ。または逆にシンセが低域を担当し、生楽器の低音域はお休みするのもいい
- すっきりと聞かせるために、シンセのリズムはシンプルにしてオケの低音域に合わせる。さもないと音がごちゃる
- 上記の大前提として、そもそも元になるノートやフレーズが低域~高域で偏ったり、音がぶつからないようちゃんと編曲すること。曲の悪さはミックスでは覆せない
これらのポイントを押さえることで、オケ曲中でシンセを鳴らしてもそんなに違和感が出なくなりました。
100%できているわけではありませんが、上記のポイントを意識しながら、オケとシンセを混ぜるための練習曲を作ってみました。ストリングスは LA Scoring Strings、シンセはSynapse Audio DUNE2、パーカッションはHans Zimmer Percussionです。
まあさっきから生楽器を連呼してますが、ポップスでは普通にギターやキーボードと弦を混ぜてたりしますし、特別視すべきものでもないかもしれません。打ち込みで曲を作ってる時点で、既に一種のシンセみたいなものなのかもしれないですけどね。ただ、オケ曲特有の空気感の空気感を殺さないようにするには、色々気を使う必要はありそうです。
このやり方が正しいかどうかも良く分かってませんが…もし本ブログをご覧になられることがあったら、ぜひプロの方のご意見やTIPSもツイートしたり記事に書いて頂けないかなーと願ってます。