令和という新時代を迎えオーケストラテンプレートも新調しました

DTM

はい、令和は言ってみたかっただけで、実際にはだいぶ以前から運用してきたのですが、テンプレートがいい感じに成熟してきたのと、#ぼくらのファンタジーコンピが一段落したので、そろそろブログに書いてみようかなと思った次第です。

Mac移行に伴い、Logicに移行しました

その前に前提の話を。昨年の冬に、メインDAWをStudio One 4からLogicに移行しました。元々Switch to macした時にはLogicに移行するつもりはありませんでした。しかしStudio OneがWindows時代にも増して落ちまくるので、Logicなら安定しているという話を聞いて移行した次第です。実際、移行してから滅多なことではDAWが落ちなくなりましたし、Cubase程ではないかもしれませんが、オケ打ち込みに便利な機能も満載です。昔はLogic嫌いでしたが、今は愛しています。でもオーディオ編集や音質はStudio Oneの方が僕は好き。あと時々トラック名が消えたり、意味不明な挙動があるのもつらい。Logicへの憎しみと愛、転じて信仰へと至る道筋は、またどこか別の機会で書こうと思います。

新テンプレート・オーバービュー

前置きはこれぐらいにして、オーケストラテンプレート”REIWA”のトラックリストがこちらの図です。予備の空きトラックを除くと、大体100トラックぐらいです。

何かオケ楽器以外のものも色々混じってますね。テンプレートはジャンル別に使い分けるのが王道ですが、複数のテンプレートを作ってメンテナンスするのもなかなか面倒なので、他のジャンルにも対応できるように全部ぶち込んでしまえという発想で作っています。それに最近のオケ曲は、EPICのようにデジ系のループやシンセも鳴らすことが増えてきてますし。

アイキャッチの画像の通り、オケ楽器の大半はWindows側のVienna Ensemble Proから鳴らしています。リモートデスクトップを使って、Mac側からシームレスにVEPを操作できるので快適です。シンセ、ドラムなど非オケ系の楽器のほうが手元で操作する機会が多いので、それらはMac側に置いています。


それでは以下、各セクションの構成について細かく見ていきましょう。

ストリングスセクション

ストリングスはCSSことCinematic Studio Stringsがメインです。音に芯と明るさを加えるため、Cinematic Studio Solo Stringsをレイヤーしています。ジャンルによってはLA Scoring Stringsに切り替えたり、あるいは薄くCSSにレイヤーしたりしています。

ブラスセクション

ブラスはCSBことCinematic Studio Brassをメインに、CineBrassからは12 HornsとMonster Low Brassを、Hollywood Brassからは3TPと特殊奏法を加えています。HBの3TPは切れ味鋭いトランペットのタンギングに使ってます。CSBとの使い分けは、エモいメロディーや中域を支えるハーモニーはCSBで、前に出る音がほしい時にはCineBrassやHollywood Brassを使っています。あと低域には一応Tubaとかもセットしてますが、面倒くさくて大抵Monster Low Brassでごまかしてます。便利。

ウッドウィンドセクション

木管は相変わらずVienna Symphonic LibraryのStandardを使っています。オケ以外のジャンルにも使えるし、万能です。ドライな音なので、MIRxという拡張機能で空間を作り、初期反射用のリバーブ、テール用のリバーブで奥行きや広がりを出しています。このへんの話は、別の機会に詳しく触れたいと思います(セオリー無視なので厳しいツッコミを覚悟しながら)

その他、木管のオーケストレーションが面倒くさい時には、Hollywoodwinds(CineSamplesの方!)や、Albion ONEの木管のセクション音色を使ったりします。

パーカッション

パーカッションには、Native InstrumentsのSymphony Series Percussionを使っています。音はCelesta以外はそんなに不満はないものの、あんまり使い勝手が好きじゃないです。本当はSpitfire Percussionが欲しかったのですが、安かったので…。ただ、SSPのCelestaの音は硬くて嫌いなので、他のマイナーな音源を使っています。またTimpaniも、HansZimmer Percussionの方がかっこいいのでそちらを使用。

Harpをパーカッションに入れるのは間違ってますが、グリッサンドしたりアルペジオ弾いたり、リズミカルな使い方が多いので、こちらのカテゴリに入れてます。

非オケ楽器

非オケ楽器は、オーケストラ楽器とは別のバスに出力しています。非オケジャンルの曲に対応するためでもあり、EPICなどでもオーケストラとは分離して音作りしたいと思っているからです。

オーケストラと異なるジャンルをミックスする時

EPICを作る時には、オーケストラ側を一種のテクスチャと考えて、混ぜる側のビートが前に出るように音作りをしています。もちろんオーケストラで主旋律をドーンと鳴らすんですが、ドラムやベース、シンセなどを殺さないように作ります。EPICとはエレクトロミュージックの一種であって、オーケストラは装飾的な役割を果たしていると考えるからです。

もちろん確かな裏付けがあるわけではありませんし、曲のジャンルによっても変わってくるはずです(たとえばPOPSにストリングスを混ぜる時には、またぜんぜん違う考え方が必要なはずです)

リズム

オケ以外のドラム・パーカッションをまとめています。写ってないですが、Addictive Drums 2もこの辺りに配置しています。

デジタル系は、最近導入した同じくXLN AudioのXOとStylus RMX、さらにはApple Loop化したDAMAGEを使っています。

民族系のパーカッションには、EZX Latin Percussionという古い音源、Rhapsodyというマイナーな音源を使っています。

Hans Zimmer PercussionやEPICでよく使うHIT系の音も、オケ本体とは切り離しています。理由は前述の通りで、オケに混ぜるのではなく、むしろリズムを前面に出したいからです。

バンド系

ギター、ベース、オルガンといった、ポップスやロック用の楽器もテンプレートに入れています。

エレキギター類は、負荷が気になるので、枠だけ作って必要な時に読み込むようにしています。プラグインとエフェクトをまとめて一つのプリセットとして保存してあるので、楽ちんです。これもLogicの愛すべき点の機能です。

ギター音源には主にOrange Tree Samplesのものを使用しています。でも、ちょいちょい面倒くさいので、Ample Guitarに移行してしまおうかなと思っている今日このごろ。

最近、MODOBASSをテンプレに導入しました。だいぶ使い方に慣れてきたので、いよいよ本格運用していきたいと思ってます。

シンセ

シンセ系は、枠だけ作っていつでも好きなシンセをアサインできるようにしています。一応種類別に分けてますが、いまいち整理しきれてない感じがして、我ながらモヤモヤしています。

最近はシンセメインの曲はあまり作ってませんが、主に使うのはOmnisphere 2やDUNEというソフトシンセです。Synthmaster ももっと使っていきたいなと思ってます。

その他の楽器

Logicはトラックの設定をまとめてプリセット化できる

Logicでは、トラックの設定内容(プラグイン、インストゥルメント含む)をまとめて一つのパッチとして保存できます。先程のエレキギターなども、よく使うエフェクトの組み合わせとともに、パッチとして保存しています。生楽器系については、Vienna Ensemble Proと組み合わせて、Logicにパッチを設定すると、Windows側にVEPインスタンスが自動的に立ち上がるようになっています。

Logicのアーティキュレーション機能

ストリングス、金管、木管は、Logicのアーティキュレーション機能を使って、大体どの音源でも同じ操作で鳴るようにしています。もちろん完全に一致させることはできませんが、音源ごとにキースイッチを覚える必要がなくなり、かなり助かっています。またキースイッチが使えない音源/パッチでも、複数のチャネルに読み込んだ奏法を一つのトラックで鳴らせるのも便利です。ここまではCubaseのVST Expression Mapと似てるのですが、Logicにはアーティキュレーション専用のレーンがなく、代わりにノート個別に奏法を設定する方式です。使われている奏法を俯瞰的に把握するのは困難ですが、同じアーティキュレーションのノートをまとめて選択できたり、イベントリストを見ればアーティキュレーションも表示されているので、私個人としては困ったことはありません。個人的にはLogic方式のほうが肌に合ってたみたいですw(※私のCubaseの知識は7.5止まりなので、最新の10では状況が変わっているかも)

Logicの「アーティキュレーション」


アーティキュレーション名や奏法切り替え用のキースイッチは、Cinematic Studio Strings/Brassを基準にしています。LASSもHollywood Brassも、音作りも含めてできるだけCSS/CSBと混ぜても違和感が出ないようにしています。

サンプル曲

そして実際にREIWAテンプレート(仮称)を生かして作った曲がこちらになります。制作時と現在のテンプレートでは構成が若干異なってますが、基本的な部分はこの曲を作った頃には完成していました。

こちらの曲を気に入ってくださったら、ぜひフルバージョンを聞いてみてください。唐突に宣伝しますが、総勢29名のウルトラ凄いクリエイターが参加したファンタジー架空サントラ「SEVENTH END CHRONICLE 第三章 GRAND JOURNEY」に収録されています。BOOTHにて絶賛販売中です!

次回予告:オーケストラの音作り、ミックスについて

ここまで書いて力尽きたので、皆様が知りたいであろうオーケストラの音作りなど肝心な話題は、次の機会に書こうと思います。次がいつかは分かりませんが、まだREIWAテンプレート(仮称)をフル活用できているとは言えないので、ポテンシャルを活かしきった曲を書くのが先かなーと。興味を持ってくださった方、すみませんが気長にお待ち下さい。

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